欧州委、米関税への対抗措置を官報に掲載、適用は7月14日まで一時停止
(EU、米国、アイルランド、フランス、イタリア)
ブリュッセル発
2025年04月16日
欧州委員会は4月14日、米国によるEUからの鉄鋼・アルミニウム製品を対象にした追加関税(2025年3月12日記事参照)への対抗措置(欧州委員会実施規則2025/778)をEU官報に掲載した。総額210億ユーロ規模となる今回の対抗措置は、米国による相互関税の適用延期を受け(2025年4月10日記事参照)、欧州委が適用を90日間停止すると発表していたものだ(2025年4月11日記事参照)。EUの対抗措置は15日から施行されているが、欧州委はEU官報に別途掲載した実施規則により、7月14日まで適用を一時停止する。
対抗措置の対象品目は2018年の対抗措置をベースにしたものだが(2025年3月14日記事参照)、ウイスキーは除外された。報道によると、米国による追加関税の対象に自国産のウイスキーやワインなどのアルコール飲料が含まれることを恐れたアイルランドやイタリア、フランスなどの加盟国が欧州委に働きかけた結果だとしている。
対抗措置の対象品目と追加関税の税率は、欧州委員会実施規則2025/778の付属書を参照。
(吉沼啓介)
(EU、米国、アイルランド、フランス、イタリア)
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