2月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.6%上昇

(カナダ)

トロント発

2025年03月19日

カナダ統計局が3月18日に発表した2月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比2.6%増で、1月の上昇率(1.9%、2025年2月19日記事参照)を0.7ポイント上回った(添付資料表参照)。

2月の価格上昇は広範囲にわたり、同月半ばに「全カナダ人のための減税法(Tax Break for All Canadians Act)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2024年12月19日記事参照)」が終了したことから、対象商品の価格に大きな上昇圧力が加わった一方で、ガソリン価格の上昇率が前年同月比5.1%にとどまったため、総合CPI上昇の加速は緩和された状態と説明した。

統計局は主な上昇要因として、2月は外食と店舗購入のアルコール飲料の減少ペースが1月と比べて緩和したことが総合CPI上昇に大きく貢献したと分析した。また、旅行ツアーでは、米国の祝日「大統領の日」(2月第3月曜日)の週末の需要が伸びて、前年同月比で18.8%上昇した。また、ガソリン価格の上昇が前年同月比で鈍化した要因として、2024年2月は世界的な原油価格の上昇がガソリン価格を押し上げていたことを挙げている。

発表を受けて同日、トロント・ドミニオン銀行の調査部門TDエコノミクスのディレクター兼シニアエコノミストのレスリー・プレストン氏は、米国による対カナダ関税がどのように展開するかは依然として極めて不透明だが、今後6カ月間は米国の関税が引き上げられ、その後徐々に引き下げられると想定しているとし、「この状況では、中央銀行が次の2回の金利発表でさらに25ベーシスポイント(1bp=0.01%)ずつの利下げを実施し、さらなる緩衝を提供すると予想している」と述べた。また、CIBCキャピタルマーケッツのエグゼクティブディレクター兼シニアエコノミストのキャサリン・ジャッジ氏は、4月2日の相互関税の発表によって「もし25%の関税が回避されれば、中銀はCPIの圧力を見極めるため、4月の会合で金利引き下げを一時停止する可能性があるだろう」と述べた。

中銀の次回の政策金利発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは4月16日に予定されている。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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