米国土安全保障省、トランプ政権下で逮捕した移民数を発表

(米国)

ニューヨーク発

2025年03月06日

米国の国土安全保障省(DHS)のクリスティ・ノーム長官は2月26日、ドナルド・トランプ大統領が就任してから約1カ月で、2万人以上の不法移民を逮捕したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。米移民税関捜査局(ICE)の統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、バイデン前政権下で2024年2月の1カ月間に逮捕した不法移民は9,680人だった。

ノーム氏は発表で「トランプ大統領と政権は、国境警備と不法滞在している犯罪者の強制送還に取り組むことにより、日々(米国人の)命を救っている。これまでに何十万人もの犯罪者が不法入国した。われわれは、これらの犯罪者を送還し、決して戻らせない」と述べた。

トランプ氏は不法移民の強制送還の強化に重点を置いており、大統領に就任した1月20日に「連邦法に違反して入国または滞在する全ての外国人を速やかに退去させる」とする大統領令を発表している(2025年1月22日記事参照)。

「ワシントン・ポスト」紙電子版(2月28日)によると、DHSは2月27日に内国歳入庁(IRS)に対し、不法移民の疑いがある70万人の住所、電話番号、メールアドレスを開示するよう求めた。IRSはこれをいったん拒否し、DHSの職員が納税者のデータにアクセスできないように見直すためのチーム創設を検討しているという。IRSは、税務に係る個人情報保護法に違反することなく、DHSに協力するための条件付き交渉を試みているもようだ。

(注)発表では、バイデン前政権下の2024年に現行犯逮捕した不法移民約3万3,000人を基に、1カ月当たりの逮捕者数はトランプ政権下で627%増加(約7.3倍)したと表現した。

(吉田奈津絵)

(米国)

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