トランプ米大統領、国境の安全確保に関する大統領令に署名
(米国)
ニューヨーク発
2025年01月22日
米国のドナルド・トランプ大統領は1月20日、移民政策に関連し、6本の大統領令(注)に署名した。このうち「米国南部国境における国家非常事態宣言」では、緊急事態に対応するための大統領令布告、「米国国境の安全確保
」と題された大統領令では、国境の壁建設や不法移民の強制送還の強化を盛り込んだ。
「米国南部国境における国家非常事態宣言」では、国家緊急事態法に従い、国防長官ならびに、国防長官の裁量で各軍部の長官が軍隊を使用できる権限を付与した。
「米国国境の安全確保」と題された大統領令では、「国境なき国家は国家ではない。連邦政府は、安全でない国境がもたらす脅威をなくすために、緊急かつ強力に行動しなければならない」として、国境確保のための政策を第2項で次のとおり並べた。
- 十分な人員と技術によって監視・支援される物理的な壁とその他の障壁を設置する
- 外国人の米国への不法な入国を阻止し、防止する
- 連邦法または州法違反の疑いで逮捕された外国人を米国から退去させるまで、法律が認める最大限の範囲で拘留する
- 連邦法に違反して入国または滞在する全ての外国人を速やかに退去させる
- 移民法に違反した不法滞在外国人や、不法滞在を助長した外国人に対し、刑事責任を追及する
- 連邦移民法の優先事項を執行するための、連邦と州のパートナーシップの確立に、州および地方の法執行当局と全面的に協力する
- 米国の国境を完全に管理する
また、第3項では、国防長官と国土安全保障長官に対して、国境の壁を配備・建設するためのあらゆる適切な行動を取る、第4項では、南部国境沿いに十分な人員を配置するため、あらゆる適切かつ合法的な行動を取るように指示し、司法長官および国土安全保障長官に対しては、米国移民法を執行するために、利用可能な人員を補充するため、あらゆる適切な行動を取るよう指示した。
(注)(1)米国南部国境における国家非常事態宣言、(2)米国の難民受け入れプログラムの再編成、(3)米国市民権の意味と価値を守る
、(4)米国国境の確保、(5)侵略から米国国民を守る
、(6)外国人テロリストやその他の国家安全保障および治安の脅威から米国を守る
の計6本。
(吉田奈津絵)
(米国)
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