中国の追加関税措置は223億ドル規模、対米輸入額の13.6%に相当
(中国、米国)
調査部中国北アジア課
2025年03月05日
中国の国務院関税税則委員会は3月4日、米国政府が同日から中国原産の輸入品に対する追加関税を10%から20%に引き上げると発表したこと(2025年3月4日記事参照)を受け、米国原産の一部輸入品に対し、追加関税を賦課する措置を発表した。対象品目は計740品目で、リスト1に掲載した29品目に15%の追加関税を賦課するほか、リスト2に掲載した711品目に対しては10%の追加関税を賦課する。同措置は3月10日から実施される(2025年3月5日記事参照)。
同措置によって追加関税賦課の対象となる品目(リスト1とリスト2)について、ジェトロがグローバル・トレード・アトラスのデータを基に集計したところ、223億ドル規模(2024年の貿易額ベース)となった(注)。また、中国の米国からの輸入総額(2024年/1,643億ドル)のうち、対象品目の輸入額が占める割合は13.6%となった。なお、中国の全世界からの輸入総額(2024年/2兆5,871億ドル)のうち、米国原産の対象品目の輸入額が占める割合は0.9%だった(添付資料表参照)。
金額規模でみると、今回の追加関税賦課措置は、中国が2月10日から実施した140億ドル規模を上回る規模となった(2025年2月5日記事参照)。
リスト1に掲載の品目のうち、最も輸入額が大きい綿(HSコード:52010000)は、2024年の米国からの輸入実績が18億5,477万ドルで、中国が世界から輸入した同品目の輸入総額の34.9%を占めた。次いで輸入金額が大きいのは、トウモロコシ(HSコード:10059000)の5億5,974万ドル、小麦および混合麦(HSコード:10019900)の4億5,303万ドル、冷凍鶏足(HSコード:02071422)の2億2,844万ドルの順だった。
リスト2に掲載の品目のうち、最も輸入金額が大きい黄大豆(遺伝子組み換えのもの、HSコード12019019)は、2024年の米国からの輸入実績が120億5,645万ドルで、中国が世界から輸入した同品目の輸入総額23.0%を占めた。次いで輸入金額が大きかったのは、その他の食用グレーンソルガム(HSコード:10079000)で、17億3,256万ドルだった。同品目は中国が世界から輸入した同品目の輸入総額の66.9%を占めており、米国原産品の割合が大きかった。
今回追加関税の対象となった品目について、ジェトロが中国税関総署の貿易データベースを利用し、2024年の輸入実績(HS8桁ベース)を確認したところ、リスト1掲載の29品目のうち、丸鶏(生鮮のものおよび冷蔵したもの、HSコード02071100)など14品目の輸入実績がなかった。また、リスト2に掲載の711品目のうち、パイナップル(生鮮のものおよび乾燥したもの、HSコード08043000)、キャビア(HSコード:16043100)などの533品目については、2024年の米国からの輸入実績がなかった。
(注)HSコード8桁ベース、2024年の貿易額で集計した。
(藤原智生)
(中国、米国)
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