TikTok禁止を支持する割合は低下し34%に、米世論調査

(米国、中国)

調査部米州課

2025年03月26日

米国ではTikTok規制を進める方向だったが、1月にドナルド・トランプ大統領はTikTok規制法の執行開始を延期する大統領令を発令した(2025年1月22日記事参照)。TikTokを所有する中国のバイトダンスが米国企業に売却しなければ、4月に禁止となる見通しだ。2月にトランプ氏は、複数の企業がTikTok買収に興味を示していると発言している。最近の世論調査では、TikTok禁止への支持率が低下する傾向がみられた。

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは3月25日、TikTok禁止に関する世論調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、TikTok禁止を支持する割合は34%で、2023年3月(50%)から減少した。一方、TikTok禁止に反対する割合は32%と2023年3月(22%)から増加した。「分からない」が33%だった。支持政党別では、共和党支持者はTikTok禁止への支持率は39%だが、2023年3月(60%)から徐々に低下が続いた。民主党支持者は、2023年3月(43%)から2024年7~8月(24%)にいったん下がった後、再び30%に上昇した。

TikTok禁止を支持する理由としては、「ユーザーのデータセキュリティーが危険にさらされている」(禁止を支持する人の83%)、「中国企業に所有されていることを懸念」(75%)、「不正確な情報が多い」(54%)、「人々があまりにも多くの時間を費やしている」(46%)などが上位となった。

TikTok禁止に反対する主な理由としては、「言論の自由が制限される」(禁止に反対する人の74%)、「人々に情報と娯楽を提供している」(63%)、「米国にとって脅威であると言えるほどの証拠がない」(61%)、「TikTokで収入を得ている人々に悪影響を与える」(48%)が挙げられた。

AI(人工知能)スタートアップの米国パープレキシティが3月21日、TikTokの買収に関心があると表明した。パープレキシティの構想では、TikTokのインフラを米国のデータセンターに構築し、米国の監視下で維持するという。買収先としてマイクロソフトやオラクルなども候補に挙がっており、TikTok禁止を巡る動向が注目される。

(注)実施時期は2025年2月24日~3月2日。対象者は全米の成人5,123人。

(松岡智恵子)

(米国、中国)

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