リマ空港新ターミナルへの移行、3度目の延期で移行時期未定に

(ペルー)

リマ発

2025年03月19日

ペルーのラウル・ペレス・レジェス運輸通信相は3月17日の記者会見で、同月30日に実施を予定していたリマ空港新ターミナルへの移行を延期すると発表した。空港の安全な運営に関わる機能について、さらなる検査が必要との理由から、いつ移行するかは明示しなかった。当初は2024年12月に移行する計画だったが、準備の遅れによって今回、3度目の延期を決定した(2024年9月18日記事2024年11月8日記事2025年1月17日記事参照)。

会見によると、新ターミナル工事の進捗度は99.5%で、新ターミナル移行のための安全対策として、上空の飛行機を含めたシミュレーションのほか、火災時の安全装置や給油システムなどの動作確認が必要という。

公共交通施設投資監督庁(OSITRAN)のベロニカ・サンブラノ長官も同日、新ターミナル移行の遅れについてコメントし、リマ空港の運営会社(LAP)は政府とのコンセッション(運営権委譲)契約に違反しており、3月31日以降、1日当たり最大で12UIT(約263万2,200円、注)の違約金がかかる可能性を示した。

LAPのフアン・サルモン社長は3月13日、ニュース専門ケーブルテレビ局「カナル・エネ」の討論番組に出演し、工事の進捗が100%ではないことは認めた上で、「もし当局が許可しないのであれば、移行しないが、工事の進捗度が100%でなくても、3月30日に安全上の問題なく移行できる」と発言していた。

(注)課税単位。2025年は1UIT=5,350ソル(約21万9,350円、1ソル=約41円)。

(石田達也)

(ペルー)

ビジネス短信 3137fc384b18c59b