リマ空港新ターミナルへの移行は3月に、2度目の延期
(ペルー)
リマ発
2025年01月17日
ペルー運輸通信省(MTC)は1月15日、リマ空港の新ターミナルの使用を3月30日に開始すると発表した。当初は2024年12月18日から使用予定だったが、準備の遅れにより、1月29日から使用することとしていたのを、今回再度延期したかたちだ(2024年9月18日記事、2024年11月8日記事参照)。
MTCはプレスリリースで、空港の敷地内と上空で、利用者に安全で質の高いオペレーションを提供するため、関係者と60日間の試用期間を確保することで合意したと発表した。
国際航空運送協会(IATA)はかねてMTCに対し、新ターミナルの運用上の課題として、各航空会社による試用が不十分なことや、空港利用者の最大のストレス要因となる複雑な動線の運用確認がなされていないこと、空港内と上空での各オペレーションの統合、空港内で荷物制御に使用するホールド・バゲージ・スクリーニング(HBS)、手荷物搬送システム(BHS)の両システムの稼働安定性の確保を挙げて、1月29日の利用開始は現実的ではないと懸念を表明していた。
また、公共交通施設投資監督庁(OSITRAN)のベロニカ・サンブラノ長官は1月6日、地元テレビ局のニュース番組に出演し、リマ空港の運営会社(LAP)とMTCの新ターミナル移行に関する契約では、最終期日が1月30日になっており、それを踏まえ、前日の29日に使用開始日を設定していると説明していた。また、OSITRANは契約者ではなく、判断する立場にないことを示した上で、一般論として、LAPとMTCが合意すれば期日の変更は可能との見方を示し、初めてターミナル移行日のさらなる延期について含みを残す発言をしていた。
多くの課題を短期間で解決する必要があり、3月末の使用開始に向けた具体的なスケジュールは今後、関係者で詰めることとなる。3月15日から各種オペレーションを徐々に始めるソフト・オープン方式、便数が少ない航空会社でまず開始して、運用状況を確認してから、便数が多い航空会社も加わる方式などを検討する。
リマ空港新ターミナル建設工事の様子(1月16日、ジェトロ撮影)
(石田達也)
(ペルー)
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