イラン、米国の核合意巡る書簡に対し、間接交渉に応じると回答
(イラン、米国)
テヘラン発
2025年03月31日
イランの3月27日付イスラーム共和国通信(IRNA)の報道によると、アッバース・アラーグチー外相は3月27日、米国のドナルド・トランプ大統領が同月12日にイランに新たな核合意に向けた交渉を開始するよう要請した書簡について、イランの公式回答は適切なルートを通じてオマーン経由で送られた、とIRNAに語ったという。同外相は「公式回答には、現状に関するわれわれの見解と、トランプ氏の書簡の内容が全て示されている」と述べた。
また、同外相は「イランが『最大限の圧力』と軍事的脅威にさらされている限り、イランの政策は間接交渉となる。間接交渉は過去と同様に継続できる」と述べた。
さらに、同外相は3月中旬、イランは戦術的に米国政府との直接交渉を拒否したと発言した。イランがフランス、ドイツ、英国の欧州3カ国との間で進行中の交渉は、本質的に米国との間接交渉だと述べた。
同外相は「『最大限の圧力』がある状況では、正気の人間なら誰も直接交渉に応じないだろう」「外交関係では交渉の形式が常に重要だ。今のところ、われわれの戦術と方法は間接交渉を行うことだ」と述べた。
なお、アリー・ハーメネイー最高指導者は、米国がいかなる契約上の義務も順守するとは信じていないため、イランは米国と交渉しないと述べているという。
(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)
(イラン、米国)
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