韓国銀行、基準金利を2.75%に引き下げ

(韓国)

ソウル発

2025年02月27日

韓国銀行(中央銀行)は2月25日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行の年3.00%から0.25ポイント引き下げ、2.75%にすると発表した(2025年1月17日記事参照)。同行は併せて、金融仲介支援融資金利(注1)を年1.50%から1.25%に引き下げ、2月25日から実施することを決定した。

韓国銀行は、利下げの理由について、「物価上昇率(注2)が落ち着きつつあり、家計負債の増加速度が鈍化している。一方、韓国の2025年の経済成長率が低水準にとどまると予測される。以上により、基準金利を引き下げ、景気を活性化させることが適切と判断した」としている。

今回の利下げについて、通信社の「聯合ニュース」(2月25日)は、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の『非常戒厳』布告(2024年12月4日記事参照)以降の政治不安によって冷え込んだ景気に歯止めをかけるための利下げだ」「米国との金利差拡大がウォン安ドル高を進行させ、輸入物価の上昇や外国人投資家の資金流出につながる恐れがある」と報じている。

金融通貨委員会は今後、経済成長率と物価上昇率の動きに注意を払いながら、金融システムの安定に留意して金融政策を運用するとしている。

(注1)金融通貨委員会が金融経済状況などを考慮して定めた限度額内で、韓国銀行が市中銀行に対して中小企業への融資実績などに応じて低利資金を支援する制度。

(注2)2025年1月の消費者物価は前年同月比2.2%上昇(2025年2月10日記事参照)。

(橋本泰成)

(韓国)

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