米商務省、6つのテックハブへの2億1,000万ドルの助成を新たに発表
(米国)
ニューヨーク発
2025年01月15日
米国商務省は1月14日、6つのテックハブに対して約2億1,000万ドルを助成すると発表した。これら6つのハブへの助成により、重要技術の生産拡大、革新的な産業における雇用創出、米国の経済競争力と国家安全保障の強化、全米における未来の産業の成長加速が期待できるという。
商務省は2023年10月に先端技術分野の研究開発に従事する全米31カ所のテックハブを指定し(2023年10月24日記事参照)、その中から2024年7月に助成対象となる12のハブを発表していた(2024年7月3日記事参照)。今回選ばれた6つのハブは、2023年10月に指定されていたもので、2025会計年度国防授権法(NDAA)に基づき予算措置がされたことにより、新たに助成対象となった。同NDAAにはさらに、今後数年間で最大2億8,000万ドルをテックハブ・プログラムに提供できる規定も含まれている。
6つのハブの概要は次のとおり。
- 米国航空宇宙材料製造技術ハブ(ワシントン州、アイダホ州、重点技術:航空宇宙材料製造、推定助成額:4,800万ドル)
- バーミンガム・バイオテクノロジー・ハブ〔アラバマ州、重点技術:公平な人工知能(AI)主導のバイオテクノロジー、推定助成額:4,400万ドル〕
- コルバリス・マイクロフルイディクス・テックハブ(オレゴン州、重点技術:マイクロ流体技術、推定助成額:4,500万ドル)
- 先端エネルギーのための重要鉱物および材料(CM2AE)テックハブ(ミズーリ州、重点技術:重要鉱物処理、推定助成額:2,900万ドル)
- 森林バイオ製品先進製造テックハブ(メーン州、重点技術:持続可能な木材バイオマスポリマー、推定助成額:2,200万ドル)
- バーモント窒化ガリウム・テックハブ(バーモント州、重点技術:窒化ガリウムベースの半導体、推定助成額:2,300万ドル)
商務省のジーナ・レモンド長官は、今回の発表で、「テックハブ・プログラムと今回の助成は、議会における超党派の協力のたまものだ。今後もこの誠実な取り組みが継続され、全米の卓越した研究開発拠点に投資を続けることができるよう願っている。そうすることで、未来の産業で高賃金の雇用を生み出し、米国の経済および国家安全保障の強化に貢献できるだろう」と述べた。政権交代を翌週に控え、バイデン政権下で商務省から助成金の確定発表が相次いでいる一方で、1月20日に大統領に就任するドナルド・トランプ氏は大型の補助金には反対の姿勢を示している。連邦議会の上下両院で多数を占める共和党も、歳出が少ない「小さな政府」を伝統的に志向している。
(赤平大寿)
(米国)
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