米下院、つなぎ予算法案を発表、予算執行を3月まで延長
(米国)
ニューヨーク発
2024年12月19日
米国連邦議会下院は12月17日、2025会計年度(2024年10月~2025年9月)の歳出法案成立までの間、政府閉鎖を回避するためのつなぎ予算法案を発表した。9月に成立したつなぎ予算の期限は12月20日までとなっているが(2024年9月26日記事参照)、2025年度歳出法案の審議にはさらなる時間が必要なことから、新たなつなぎ予算法案が模索されていた。一方、同法案に対し、ドナルド・トランプ次期大統領らが反対を表明し、土壇場で法案採決の先行きは不透明となっている(2024年12月19日記事参照)。
米国メディアによると、同法案には、(1)2025年3月14日まで現状と同水準の支出を維持、(2)ハリケーンなどの被害に対応するため、援助資金を計1,004億ドル追加、(3)農業法に基づく政策を2025年9月まで延長するなど、農村地域への支援強化、(4)3月に発生したボルティモア港の事故によって崩落した橋の再建費用(2024年4月9日記事参照)を連邦政府が負担などの内容が盛り込まれている。
法案の策定過程で最も議論となったのが(3)に関する事項で、農業が盛んな州から選出された議員を中心に、支援強化が議論されていた(政治専門紙「ポリティコ」12月17日)。今回の法案では、災害援助資金のうち約210億ドルを農家向け支援に充てることや、トウモロコシなどから生成されるバイオエタノールの通年販売を承認することなどが盛り込まれた。なお、民主党側はトランプ次期政権でのインフレ削減法(IRA)の改編を見越して、IRAに基づく農業・農村関連の資金についても盛り込むよう訴えたが、こちらは今回の法案には盛り込まれなかった。
(加藤翔一)
(米国)
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