米サンフランシスコ市長選、民主党穏健派のルーリー氏が現職を破る

(米国)

サンフランシスコ発

2024年11月14日

米国大統領選挙と同日の11月5日に行われたサンフランシスコ市長選は、民主党穏健派の候補のダニエル・ルーリー氏が得票率56%で、初のアフリカ系女性市長となった現職のロンドン・ブリード市長(民主党)(2018年6月20日記事)を破り、当選した。敗れたブリード市長は11月7日、自身のX(旧Twitter)で敗北宣言し、翌8日にルーリー氏は勝利宣言を行った。

ルーリー氏は、サンフランシスコ市出身。米デューク大学卒業後、2000年の大統領選挙時の民主党候補だったビル・ブラッドリー元連邦上院議員(ニュージャージー州)の選挙キャンペーンの一環で、同氏のもとで働いた。その後、ニューヨークの慈善団体ロビンフッドで勤務した。2005年にはサンフランシスコに戻り、カリフォルニア大学バークレー校の公共政策大学院卒業後、慈善団体ティッピングポイントコミュニティを設立し、最高経営責任者(CEO)として活動してきた。ルーリー氏の母親の再婚相手がピーター・ハース元リーバイスCEOで、豊富な資金を背景に、選挙戦を優位に進めた、と複数のメディアにより報道されている。

選挙期間中、ルーリー氏は「市政にこれまで関与してきた人たちがこの街を壊滅的にしたため、有権者は市政経験のない外部の人間である自身に街を元どおりにするよう託す必要がある」と繰り返し主張した。対立候補からは、市政経験がないこと、サンフランシスコ市長選史上最も多い額の資金が投入されていることなどが指摘されていたが、有権者から支持された。

トランプ次期大統領との意見の相違に言及

ルーリー氏は、自身のスピーチ後の質疑応答の中で、米国大統領選について「トランプ氏とは深刻な意見の相違があるが、サンフランシスコが直面する問題に対処するうえで、相違が障害となることはない」と述べた。ドナルド・トランプ氏とどのように協力、あるいは対立するかの明言は避けた。

(芦崎暢)

(米国)

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