9月の消費者物価指数上昇率は前年同月比1.84%、5カ月連続で低下
(インドネシア)
ジャカルタ発
2024年10月22日
インドネシア中央統計庁(BPS)が10月1日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比1.84%上昇した。前月比では0.12%の下落だった。前年同月比の上昇率は5カ月連続で低下した(添付資料図参照)。中央銀行が設定した2024年のインフレ目標圏内(1.5%~3.5%)にはとどまった(2024年1月18日記事参照)。なお、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は、前年同月比2.09%(前月比0.16%)だった。
前年同月比では、主要11品目のうち10品目で上昇した。最も上昇率が高かったのはパーソナルケア・その他サービスの6.25%で、食品・飲料・たばこ(2.57%)、レストラン(2.25%)と続いた。CPIが下落した品目は情報・通信・金融サービス(マイナス0.28%)のみだった(添付資料表参照)。
前月比では、主要11品目のうち8品目で上昇したが、上昇率が最も高かったパーソナルケア・その他サービスが0.38%など、微増にとどまった。食品・飲料・たばこ(マイナス0.59%)、輸送(マイナス0.16%)、情報・通信・金融サービス(マイナス0.01%)はそれぞれ下落した。
インドネシア銀行は、CPI上昇率が5カ月連続で低下した要因について「供給量の増加や生産コストの低下によって、トウガラシや鶏肉などの食料価格が下落しているため」とした(10月1日インドネシア中央銀行プレスリリース)。
インドネシア経営者協会(APINDO)のシンタ・ウィジャジャ・カムダニ会長は「インドネシアの最近のCPIの推移は、国内市場の消費鈍化を示していると考えられる。国家の経済成長は国内消費の動向に大きく左右される。消費者の購買力向上のため、金利の緩和など金融刺激策に期待する」と述べた(「メトロTVニュース」10月2日)。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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