2023年の消費者物価指数上昇率は2.61%、中銀目標を達成

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年01月18日

インドネシア中央統計庁(BPS)は1月2日、2023年通年の消費者物価指数(CPI)上昇率を2.61%と発表した。前年の5.51%を下回り、中銀が定めるインフレ目標である2~4%を達成した。

2023年のCPI上昇率は、1月は前年同月比5.28%と高かったものの、政策金利の引き上げ(2023年1月31日記事参照)や食糧供給・価格安定化に関する政策を背景に、9月以降は2%台で推移した(添付資料図参照)。BPS長官代理のアマリア・アディニンガー・ウィディアサンティ氏は2023年通年のCPI上昇率について、新型コロナウイルス禍の2020年(1.68%)、2021年(1.87%)を除けば、過去20年間で最も低い水準だったと述べた(「コンパス」1月2日)。

12月単月では、前年同月比2.61%、前月比0.41%と発表した。伸び幅は3カ月ぶりに縮小した。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比1.80%(前月比0.14%)だった。

CPI上昇率(前年同月比)は主要11品目の全てで上昇した。最も上昇率が高かったのは食料・飲料・たばこの6.18%で、パーソナルケア・その他サービス(3.55%)、レストラン(2.07%)と続いた。前月比でも、主要11品目の全てで上昇した。最も上昇率が高いのは食品・飲料・たばこの1.07%だった。レクリエーション・スポーツ・文化(0.54%)、パーソナルケア・その他サービス(0.46%)が続いた(添付資料表参照)。

アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は2023年のインフレ要因について、エルニーニョ現象に伴うコメや唐辛子といった食料価格の上昇の影響が大きかったとしつつも、食糧備蓄の強化や、食糧供給・価格安定化プログラムの実施などを通じて、インフレを抑制したと述べた。その上で、インフレに影響を与える可能性のある国内・世界的な現象を今後も引き続き警戒し監視していくとした(1月3日経済担当調整府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。中銀は2024年通年のインフレ目標を2023年目標より0.5ポイント引き下げ、1.5~3.5%と設定している(1月2日インドネシア中央銀行プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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