韓国銀行が4年5カ月ぶりに利下げ、基準金利は3.25%に
(韓国)
ソウル発
2024年10月23日
韓国銀行(中央銀行)は10月11日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行の年3.50%から0.25ポイント引き下げ、3.25%にすると発表した(2024年8月23日記事参照)。韓国銀行による利下げは2020年5月以来、4年5カ月ぶり。同行は併せて、金融仲介支援融資金利(注1)を年2.00%から1.75%に引き下げ、2024年10月11日から施行することを決定した。
韓国銀行は、利下げの理由などについて、次のように説明している。
- 物価上昇率(注2)が落ち着きつつある中、家計負債増加率が鈍化しつつあるとともに、外国為替市場のリスクもやや低下したため、金融を緩和し、状況を見るのが適切と判断した。
- 首都圏の住宅価格高騰と家計負債の増加は、政府のマクロ健全性政策の強化の影響で鈍化に向かうと予測されるが、今回の利下げの影響などに留意する必要がある。
- 金融通貨委員会は、今後、中期的な視点で物価上昇率が目標の水準(2%前後)に落ち着くように努める一方で、物価、経済成長率、金融安定などの政策判断要因を綿密に分析しながら、今後の金利引き下げについては慎重に検討する。
(注1)金融仲介支援融資は、金融通貨委員会が金融経済状況と中小企業および地域の金融動向などを考慮して定めた限度額の範囲内で、銀行の中小企業への融資実績などに応じて韓国銀行が銀行に対して低利資金を支援する制度。
(注2)2024年9月の消費者物価指数は前年同月比1.6%上昇(2024年10月8日記事参照)。
(橋本泰成)
(韓国)
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