家電見本市IFAが100周年を機にイノベーション重視に転換
(ドイツ)
ベルリン発
2024年10月04日
国際的な家電見本市として知られるIFAが9月6~10日、ドイツのベルリンで開催された。2024年で100周年を迎えた。「IFA」には従来の意味である「国際ラジオ展示会(Internationale Funkausstellung)」に加え、「IFA:Innovation for All(すべての人にイノベーションを)」というスローガンが込められ、イノベーションへの注力を強調した。
IFA2024には138カ国から21万5,000人以上が来場、うち13万3,000人以上がBtoB目的だった。1,800を超える出展者がコンシューマー・エレクトロニクスや家電製品の分野から最新の製品やトレンドを紹介し、主要テーマは人工知能、持続可能性、デジタルヘルスだった。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は9月5日夜、ベルリン州のカイ・ベーグナー州首相と共に開幕を宣言。ステファン・シュノール連邦デジタル・交通省(BMDV)事務次官も「IFAはネットワーク、人工知能、スマート・テクノロジーがいかに私たちの日常生活を変えつつあるかを印象的に示し、ビジネス、政治、社会の対話の場を提供している」と発言した。
スタートアップの専用ホールであるIFA NEXTでは、2023年(2023年9月21日記事参照)に続き各社が自社の技術を紹介したほか、ピッチコンテストも開催された。2024年のIFA NEXTのパートナー国である韓国からの出展が目立った。
東京都は、ベルリン州との友好都市提携30周年を記念して「SusHi Tech Tokyo」として、日本企業の共同出展ブースを構えた。併せて、11月25~29日にベルリンで開催されるアジアベルリンサミットのサイドイベントとしてジェトロが主催する、J-Bridge(注)参加企業によるスマートシティ分野などベルリンのエコシステムビルダー向けリバースピッチイベント「Tech Innovation Challenge(773KB)」を紹介した。
5月にベルリンの政財界と共に東京のSusHi Techに参加したベーグナー州首相(2024年6月11日記事参照)も、IFAのSusHi Techブースを訪問したほか、ベルリン市内の学生など多くの来場者が集まった。
IFA Nextのホールに出展した日本のスタートアップで、目の酷使や加齢に伴う見え方の課題解決をサポートするアイウェアを手掛けるVixionは、IFA Nextのピッチコンテストで優勝し、2025年の出展権利を獲得した。
次回のIFAは2025年9月5~9日にベルリンで開催される。
(注)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム。
(インメ・ダービット、小菅宏幸)
(ドイツ)
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