米財務省、制裁違反の時効延長に伴い書類保存期間を延長する規則を公示
(米国)
ニューヨーク発
2024年09月13日
米国財務省外国資産管理局(OFAC)は9月11日、特定の取引に関する記録保持義務を5年から10年に延長する暫定最終規則(IFR)を発表した。正式には、9月13日付官報で公示
する。
4月に成立した「21世紀力による平和法」により、国際緊急経済権限法(IEEPA)または、対敵通商法(TWEA)の違反行為の時効が5年から10年に延長された(注)。これに伴い、OFACは7月にガイダンスを発表していた。その際、書類などの記録保持要請を10 年に延長するIFRを公示することも明らかにしていた(2024年7月24日記事参照)。
IFRは、ガイダンス発表時に明らかにされていたとおり、公示から180日後に発効する。そのため、実際に施行されるのは、2025年3月中旬とみられる。これに合わせて企業は、法律や規制上の要件を順守していることを示す文書などの保管期限を見直す必要がある。
なお、OFACは今回のIFRに対して、パブリックコメントを募集する。コメントは連邦政府のポータルサイト(OFAC-2024-0004)を通じて提出可能で、公示から30日後に締め切られる。
(注)IEEPAは大統領に対し、国家緊急事態を宣言した上で国際取引を制限する権限を与えている。TWEAは大統領に対し、戦時に国際取引を制限する権限を与えている。米国の経済制裁の多くはIEEPAやTWEAに基づき発令された大統領令などによって法執行が行われている。
(赤平大寿)
(米国)
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