米シリコンバレーから女性の生き方・働き方への提言、JWIBAサマーサミット開催

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2024年09月12日

米国ベイエリアに滞在し、キャリア構築に関心のある日本人女性コミュニティー「JWIBA」は9月6日、サマーサミットをスタンフォード大学で開催した。前年に続く2回目となった同サミットは(2023年8月28日記事参照)、同大学米国アジア技術経営センターとの共催で、ジェトロを含む4社が協賛している(注)。

同サミットのトークセッションでは、「起業家精神」と「つながり」をキーワードに、自分らしい生き方や働き方について講演が行われた。会場は200人以上の参加者でにぎわい、「こういった女性の会があるとは知らなかったので、楽しみにしていた」「テーマに興味があり、参加したいと思った」といった声が聞かれた。

基調講演では、同センター長のリチャード・ダッシャー特任教授が、急速な変革期に対応するために自分の中にある起業家精神を開拓し、新しい価値を創造してほしいとエールを送った。

写真 セッション(左)、パネルディスカッションの様子(JWIBA提供、撮影:井上博之氏)

セッション(左)、パネルディスカッションの様子(JWIBA提供、撮影:井上博之氏)

JWIBAは、シリコンバレーの駐在経験者への調査で、女性は自発的に赴任を希望し、男性は上司からの打診で赴任する傾向から、男女公平に打診を行えば、女性の海外駐在が増える可能性があると提案した。

写真 大勢の参加者たちとネットワーキングの様子(JWIBA提供、撮影:井上博之氏)

大勢の参加者たちとネットワーキングの様子(JWIBA提供、撮影:井上博之氏)

パネルディスカッショでは、日本航空サンフランシスコ支店長の高橋徹氏が起業する場合に「何かを成し遂げるには、自ら燃える情熱を持つ必要がある」と提言した。パナソニックホールディングス執行役員、Panasonic Well本部長の松岡陽子氏は「キャリア変更の際、5年ほど続けられるかを考え、選択肢の長所と短所を書き出し、やりたいことは何か、しつこく探すことが大切だ」とアドバイスした。米法律事務所モルガン・ルイスの弁護士で対米外国投資委員会(CFIUS)ワーキンググループメンバーのナンシー山口氏は「失敗は自然なことと受け止め、そこから立ち上がる精神が大切だ」と語り、ネットワーキングでは名刺交換にとどまらず、苦労を共有し合い、つながりを深めてお互いをサポートすることが重要だと強調した。

参加者からは、「勇気と元気をもらった」「仕事上のネットワーキングでは話す機会がないことも、この場ではいろいろ話せた」「同じような悩みを持つ人が多く、自分だけではないと感じた」といった感想が寄せられた。

(注)北カリフォルニア・ジャパンソサエティー、SOMPOデジタルラボ、NEC X。

(松井美樹)

(米国、日本)

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