次期中銀総裁にガリポロ金融政策担当理事、ルーラ大統領が指名

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年09月09日

ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は8月29日、通知第42号を通して、次期中央銀行総裁にガブリエル・ガリポロ氏を指名したと発表した。任期は2025年1月1日から2028年12月31日までの4年間となる見込み。2024年12月31日で任期を終えるロベルト・カンポス・ネト現総裁の後任となる。中銀総裁の任命には議会上院の承認が必要となるが、審議の日程は現時点では未定となっている。

ガリポロ氏は2017年から2021年まで、官民連携(PPP)に関わることの多いブラジルのファトール銀行の頭取を務めた。その後、2023年1月から7月まで財務省筆頭次官、2023年7月から中銀金融政策担当理事を務めている(2023年5月11日記事参照)。

ブラジル銀行連盟(FEBRABAN)は公式サイト(8月28日付)でガリポロ氏の指名を評価した。また、ブラジル大手銀行のブラデスコ銀行のマルセロ・ノローニャ最高経営責任者(CEO)は8月28日付の現地紙「エスタード」のインタビューで、「ガリポロ氏は(金融政策担当理事として)専門的な能力と経済界のさまざまな関係者とのコミュニケーション力を発揮している。彼の下で中央銀行の運営は順調に進むだろう」と述べた。一方、コンサルティング会社アナリゼ・エコノミカ社のエコノミスト、アンドレ・ガリャルド氏は9月1日付の現地紙「グローボ」のインタビューで、金利の引き下げを主張し続けているルーラ政権下で中銀総裁に就任する点に触れ、「(さらなる利下げに向け)彼へのプレッシャーは強くなるだろう」と予測している。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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