タイ中銀、政策金利を2.5%に維持、5会合連続

(タイ)

バンコク発

2024年08月27日

タイ中央銀行(BOT)は8月21日、金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を現行の2.5%に維持することを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

MPCは現在の政策金利が経済成長や物価見通し、マクロ金融の安定性に整合的であるとし、賛成6、反対1の多数決で、2.5%の政策金利を維持した。BOTは2022年8月以降、政策金利を段階的に引き上げ、2023年9月に2.5%に引き上げて以降(2023年10月3日記事参照)、5会合連続で金利を維持している。

反対した1人は、国外メーカーとの競争激化や競争力の低下などの構造的な問題による潜在成長率の低下や、債務者負担の一部軽減という理由から0.25ポイント引き下げを主張した。

8月22日付の「ネーション」紙によると、タイ工業連盟(FTI)のクリエンクライ・ティエンクン会長も「世界経済は依然として下降傾向であり、政策金利の引き下げを開始している国もある」と指摘し、反対した1人と同様に、政策金利の引き下げの必要性を訴えた。

他方、同紙によると、タイ商工会議所のサナン・アンウボンクン会頭は「米国との政策金利の差が大きくなれば、資金流出の引き金となる可能性がある」と述べ、世界の政策金利が明確に低下傾向を示している場合には、MPCが政策金利を適切に調整することを期待した。

(藤田豊)

(タイ)

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