中銀が政策金利を2.50%へ引き上げ、2013年以来の水準に

(タイ)

バンコク発

2023年10月03日

タイ中央銀行(BOT)は9月27日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現行の2.25%から2.50%へ0.25ポイント引き上げることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

金融政策委員会は、国外の需要が弱いためペースは緩やかだが、景気回復は継続していると判断し、全会一致で政策金利を0.25ポイント引き上げた。

政策金利を引き上げるのは8会合連続で、2013年以来の水準に達した。金融政策委員会はこれまで徐々に政策を正常化してきたことから、現在の政策金利は長期的に持続可能な成長を支えるのに適切な水準とした。

また、BOTはGDP成長率予測について、2023年を2.8%(前回予測3.6%)と下方修正した。要因については、中国の成長鈍化などが影響し、財輸出や観光業の回復が遅れたため、成長がやや軟化したと分析した。他方、政府の政策による追加的支援や、今後の観光業の回復、財輸出の好転が見込まれるとして、2024年は4.4%(同3.8%)へ上方修正した。

ヘッドラインインフレ率(総合インフレ率)は、生活費関連補助金の存在や、ベースとなる前年の物価上昇率が大きかったことから、2023年末までは抑制されるとし、同年の総合インフレ率を1.6%(前回予測2.5%)に下方修正した。一方で、エルニーニョ現象による食料価格の上昇や、経済政策に関連した需要サイドからのインフレ圧力が今後高まる可能性があると分析し、2024年については2.6%(同2.4)に引き上げた。

コアインフレ率については、2023年は1.4%(前回予測2.0%)に下方修正、2024年は2.0(同2.0%)と前回予測を維持した。

(藤田豊)

(タイ)

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