米半導体サプライヤーのEFC、テキサス州マクレガー工業団地に製造施設建設計画
(米国)
ヒューストン発
2024年07月31日
半導体製造向け高純度電子ガスなどを供給する米国EFCガス&アドバンストマテリアルズ(本社:マサチューセッツ州ホプキントン、以下EFC)は7月23日、2億1,000万ドルを投じてテキサス州マクレガー市の工業団地に195エーカー(約79万平方メートル)の用地を取得し、製造施設を建設する計画を発表した。120人以上の雇用を見込む。
マクレガーは、半導体産業の集積地オースティンから北に約150キロの距離に位置する。EFCが新拠点を構える工業団地には、米航空宇宙企業スペースX、ドイツ産業ガス大手メッサー、ドイツ建築資材メーカーのクナウフ・インシュレーションなどが入居している。
EFCのパベル・A・ペルロフ社長兼最高経営責任者(CEO)は「新拠点は、半導体製造で不FF可欠な材料のオンショアリング(注1)において重要な役割を果たし、テキサス州の半導体企業とシームレスに連携する予定」と語る。
EFCはテキサス州に投資を決めた理由として、同州の堅調な半導体産業と良好なビジネス環境を挙げている。米国半導体工業会によると、2020年にCHIPSおよび科学法案(CHIPSプラス法案)が連邦議会に提出されて以来(注2)、25州で約4,470億ドルの民間投資が発表された。そのうち約2割に当たる880億ドル以上がテキサス州での投資計画だ。
テキサス州オースティン周辺では、韓国企業による半導体関連投資が続いている。サムスン電子は、2022年から同州テイラー市で半導体製造拠点を建設中だ(2021年11月24日記事参照、2024年04月16日記事参照、注3)。そのほか、2024年だけでも次の進出計画が相次ぎ報じられている。
- 半導体部品製造のウォンイクは、4,600万ドルを投じて同州マナーに製造施設建設を計画(2024年7月報道)。
- 半導体製造向け化学薬品メーカーのソウルブレインは、同州テイラーにリン酸製造工場建設を計画。2029年1月までに1億7,500万ドル、2033年1月までに4億ドルの投資を計画(2024年7月報道)。
- 半導体材料・装置製造のファイン・セミテックは、同州ハットーに製造拠点建設を計画(2024年5月報道)。
(注1)全てのサプライチェーンを米国内で完結すること。
(注2)法律成立は2022年8月9日(2022年8月10日記事参照)。
(注3)サムスンによると、工場の稼働予定は2024年内。
(キリアン知佳)
(米国)
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