EVバッテリー製造の米アルティウム・セルズ、UAWと初の契約批准を発表
(米国)
シカゴ発
2024年06月25日
米国自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)と韓国LGエナジーソリューションの合弁会社で、電気自動車(EV)バッテリー製造のアルティウム・セルズ(本社:オハイオ州)は6月16日、全米自動車労働組合(UAW)を代表とする同社ローズタウン工場の約1,600人の時間給従業員が初の地域補足交渉協約(local supplementary bargaining agreement)の契約批准に賛成票を投じたと発表した(注)。今回の契約は6月17日から発効し、2028年4月30日に満了となる。同社のローズタウン工場はEVバッテリー製造工場として米国で初めて労働組合が組織化された工場だ。
この契約には、同社の従業員の時給が2027年10月までに35ドルになるとの条項が含まれる。これは、UAW加入前の2021年に同工場が開設した当時の16.50ドルから2.1倍こととなる。このほかの主な契約内容は次のとおり。
- 製造労働は3年間で30%の賃上げ
- 即時ボーナス3,000ドル
- 工場に4人のフルタイムの健康・安全担当者、現場にはフルタイムの産業衛生担当者を配置(全てUAW組合員)
このほか、全米で何万人もの労働者を雇用するバッテリー工場が建設されていることを踏まえ、UAWは「今回のアルティウム・セルズとの契約は、これらの工場やEV業界全体にとって非常に重要な先例となる」としている。
(注)アルティウム・セルズでは、2022年12月にUAWによる組合が結成された。同社は、2023年11月20日に批准されたUAWとGM間の基本労働協約にGMの子会社とともに加わっている(2023年11月2日記事参照)。
(星野香織)
(米国)
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