全米自動車労働組合(UAW)、労使交渉でGMとも暫定合意

(米国)

シカゴ発

2023年11月02日

全米自動車労働組合(UAW)は10月30日、米国ゼネラルモーターズ(GM)との暫定合意に達したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同組合は、GMとの労働協約が批准されるまでの期間、組合員は勤務に戻ることを呼びかけている。

今回のGMとの労働協約では、組立工の賃金は2028年4月までで25%の昇給、生計費調整(COLA)の復活によって最高賃金は約33%の昇給(時給42ドル超)、初任給は推定の生計費調整(COLA)を含めると70%増加し、時給は30ドル以上となる。また、UAWは、退職金や年金に関する条件の改善、従業員を分断する給与体系の廃止、フォード、ステランティスと同様に工場閉鎖をめぐるスト権獲得などの合意をしたと発表した。

このほか、暫定合意では、GMと韓国LGエナジーソリューションの合弁会社で電気自動車(EV)バッテリー製造のアルティウム・セルズと、GMの子会社で組立工場での部品の投入順序や搬送のサービスを行うGMサブシステムズもUAWとGMの基本労働協約に加わることになった。UAWはガソリン車からEVへの移行に伴い、エンジン工場やトランスミッション工場を低賃金で従業員を雇うEVバッテリー工場に置き換えるGMの計画は不当だと主張しており、10月6日の時点で、GMがEVバッテリー製造を協約に含めることについて合意したことを発表していた(2023年10月10日記事参照)。

なお、報道によると、UAWのショーン・フェイン会長は、将来的にはテスラの自動車工場とバッテリー工場の労働者、トヨタ、ホンダ、BMWなどの外資系自動車工場の労働者を組織化したいと述べているという(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版10月30日)。

(星野香織)

(米国)

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