インドの日本酒輸入に係る新制度を開始、地理的表示に登録

(インド、日本)

ニューデリー発

2024年06月05日

インド政府は、2024年4月1日付で地理的表示(GI)「日本酒」を登録した。これにより、日本酒の成分分析を経ずにインドに輸出できる道が開けた。日本から輸出する場合には、通常のアルコール類の輸入に必要な書類(注)のうち、成分分析証明書に代えてGI登録の証明書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を添付することで、インドへ通関することができるようになった。

本制度が適用されるのは、日本酒の表ラベルには「Nihonshu」または「Japanese Sake」と表示された商品、または表ラベルに同表示がない場合でも、インド食品安全基準局(FSSAI)の通達(2023年11月28日付)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に従ってステッカーを貼付した商品となる。詳細および必要書類は、日本の国税庁ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに2024年5月29日付で掲載されている。

本件に関する背景は次のとおり。

〇これまでの背景

  • インド食品安全基準局(FSSAI)が制度変更PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を行った2020年以降、インドの食品規格に当てはまらない食品〔規格外食品(proprietary food)〕の輸入に当たってISO17025に準拠した成分分析証明書の添付を義務付けられた。日本酒は規格外食品に該当すること、FSSAIが定める分析条件下で日本酒の証明書発行に対応できる機関が日本国内に存在しないことから、事実上日本酒の輸入が規制された。
  • 在インド日本大使館と国税庁によるFSSAIとの継続的な協議の結果、GI登録によってこの規制の対象外とすることで合意。
  • GI登録の完了までに一定の期間を要することから、インド国内の検査機関(NFL Ghaziabad)にて取得した分析証明書により輸入可能とする暫定的な措置を講じた(2023年1月10日記事参照)。
  • 2022年10月に大使館がGI登録申請を行い、インド商工省による各手続きが2024年3月末に終了(2023年12月25日記事参照)。2024年4月1日付で「日本酒」のGI登録が完了。

(注)ジェトロの「インドへのアルコール飲料の輸入規制、輸入手続き」ページ参照。

(川崎宏希)

(インド、日本)

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