チャンギ空港、全ての外国人渡航者が自動レーン審査可能に

(シンガポール)

シンガポール発

2024年05月21日

シンガポール入国管理局(ICA)は5月17日、チャンギ空港において全ての海外からの渡航者について、国籍を問わず自動レーンでの入国審査が可能になったと発表した。これまで自動審査イニシアチブ(ACI)に基づき、日本を含む60カ国・地域からの渡航者について自動レーンでの入国を認めていたが、全ての国・地域からの渡航者へと対象を拡大した。

また、ICAは、シンガポールの在住者(外国人就労査証保持者を含む)の入国および全ての国籍者の出国について、2024年末までに、チャンギ空港、セレタ空港、マリーナベイ・クルーズセンター・シンガポール(MBCCS)で、パスポートの提示が必要ない生体認証による審査を可能とする予定だ。ICAは、この在住者と出国者の生体認証での出入国審査および、全ての外国人の自動レーンでの入国審査の導入により、出入国審査の時間を約40%削減できるとしている。

ICAはこれまで、全ての出入国チェックポイントで、次世代の「国境管理システム(ABCS)」の導入を段階的に進めてきた(2023年5月9日記事参照)。チャンギ空港、MBCCS、マレーシア南部ジョホール州との陸上国境施設において2024年3月時点で、約600のABCSの自動レーンが設置された。ICAによると、内外の渡航者の95%が2026年初頭までに、自動レーンでの出入国審査が可能となる見込みだ(注1)。

また、ICAは2024年3月19日から、ジョホール州との陸上国境を車で出入国する際、パスポートの代わりにQRコードをスキャンする審査を可能とした(注2)。同年4月末時点で、約310万人(車で出入国した渡航者の約64%)がQRコードを用いて出入国審査をした。同局は、西部トゥアスの国境(トゥアス・セカンド・リンク)での車の出入国審査を2026年から完全自動化(注3)する計画だ。また、北部ウッドランドのコーズウェイ橋の出入国審査についても、2028年から完全自動化する予定。

(注1)残り5%の自動レーンでの出入国審査ができない渡航者は、6歳未満の幼児など。詳細はICAのウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注2)QRコードでの出入国審査には、ICAの携帯アプリを通じて個人またはグループで事前申請する必要がある。詳細はICAのウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注3)出入国者は、ICAの携帯アプリでのQRコードの生成に加え、非接触型生体認証スキャナーを介して身元確認のために生体認証を提示する。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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