広東省、2023年知的財産権十大事件を発表
(中国)
広州発
2024年05月15日
中国・広東省市場監督管理局は4月26日、2023年広東省知的財産権十大事件を発表した。主な内容は次のとおり。
- 国家知識産権局と広東省政府は2023年7月、「中新広州知識城(注1)での知的財産権の活用、保護に関する総合改革試験実施案(2023-2027年)」を共同で発表した。
- 2023年末までの広東省における価値の高い発明特許の登録件数が前年比21.9%増の約31万7,900件に達し、4年連続で全国1位となった。
- 広州市税関、深セン市税関、江門市税関などの広東省支局の税関は2023年3月から、知的財産権保護の特別行動である「龍騰行動2023」を実施した。これにより、広東省支局の税関は、香港・マカオとの輸出入、あるいは香港とマカオを経由して輸出入される侵害品の取り締まりに重点を置くなど、知的財産権保護のための法執行に連携して取り組んだ。
- 広東省人民法院と広東省市場監督管理局など15部門は2023年12月、「知的財産権侵害の深刻な信用失墜行為に対する信用監視を強化する協力覚書」に共同署名し、全国初の信用監視体制を構築した。
- 2023年の広東省の専利(注2)と商標を担保にした融資の登録金額は前年比2.4倍の2,306億7,000万元(約5兆747億円、1元=約22円)となり、全国の登録金額の27.0%を占めた。
このほか、次の4つの政策文書・法規が十大事件の中で取り上げられた(注3)。
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広東省の知的財産権公共サービス利用の普遍化プロジェクト実施計画(2023年~2025年)
(282KB)
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広東省市場監督管理局による知的財産権行政保護で技術調査官に関する管理弁法
(313KB)
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深セン市人民検察院による営業秘密刑事保護コンプライアンス体制整備のガイドライン(試行)
(650KB)(営業秘密保護体制整備のガイドライン)
- 企業の海外知的財産権紛争への対応ガイドライン
これらの政策文書・法規は知的財産権利用の利便性向上や、司法裁判、海外知財紛争などに関する計画や条例、ガイドラインとなっている。営業秘密保護体制整備のガイドラインは、営業秘密識別、新入社員管理など30項目125条項の具体的な指針を含んでいる。関連企業は2023年4月発表の同ガイドラインに基づき、営業秘密刑事保護コンプライアンス体制整備を強化しており、規制が困難だった営業秘密侵害案件の発見、取り締まりにつながっている。
(注1)中新広州知識城は、2010年6月30日にシンガポール政府と広東省政府が共同で設立した知的財産に重点を置いた開発区。黄埔区内に位置し、総面積は178平方キロ。
(注2)「専利」とは、日本の特許(発明)、実用新案、意匠に当たる。
(注3)4つの政策文書・法規のうち、1. 2. 3.についてはジェトロウェブサイトで日本語仮訳を掲載している。
(謝暁儀)
(中国)
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