第1四半期のGDP成長率は前年同期比5.11%、内需が堅調に推移

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年05月17日

インドネシア中央統計庁(BPS)は5月6日、2024年第1四半期(1~3月)のGDP成長率を前年同期比5.11%と発表した(添付資料図参照)。2023年第4四半期(10~12月)の5.04%に続き(2024年2月15日記事参照)、5%台を維持した。インドネシア中央銀行(BI)は、特に国家戦略プロジェクトへの投資や消費の拡大などを背景とし、2024年通年では4.7~5.5%の範囲で成長を維持するだろうとした(5月6日BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

支出項目別では、GDPの5割超を占める家計最終消費支出が前年同期比4.91%増だったほか、食品価格の高騰を受けた低所得層向けの現金給付などを背景とし、公的支出が19.90%増と2桁成長になった。投資などを示す総固定資本形成は3.79%増、輸出は0.50%増、輸入は1.77%増となった。

業種別では、主要17業種のうち農林水産業を除く16業種が前年同期比プラスとなった。行政・防衛・社会保障が18.88%増、医療サービス・社会保障が11.64%増、宿泊施設・飲食が9.39%増の順で成長率が高かった。エルニーニョ現象による食糧生産量の減少が要因となり、農林水産業は3.54%減だった(「ビスニス」5月6日)。

地域別では、マルク・パプア地域が前年同期比12.15%と成長率が最も高く、スラウェシ地域が6.35%で続いた。GDPの6割弱を占めるジャワ島は4.84%、ジャカルタ首都特別州の成長率は4.78%だった。

ダナモン銀行のエコノミストのイルマン・ファイズ氏は「インドネシア経済が今後直面する課題の1つに、長期化が見込まれる金利の上昇がある。また、世界的な需要の低迷がインドネシアの輸出に影響を与えており、この状況は2024年を通じて続くだろう」と予測した(「ビスニス」5月7日)。2024年の第1四半期(1~3月)の輸出額は622億200万ドルと、前年同期比で7.2%減少した(2024年5月9日記事参照)。

(八木沼洋文)

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