米マスターカードの合弁会社、中国で決済業務開始、外資系で2社目

(中国、米国)

上海発

2024年05月14日

米国クレジットカード大手のマスターカードは5月9日、傘下の万事網聯信息技術(北京)が正式に開業したと発表した。万事網聯は中国でマスターカードブランドによる決済業務を始めるほか、加盟機関と連携して中国内外で使える同ブランドのクレジットカードやデビットカードを発行する。また、世界で約1億3,000万店を超えるマスターカードの加盟店ネットワークを基盤としながら、中国で新たに数百万カ所の取扱拠点を増やし、アクワイアリング業務(注)を拡大する。

外資系企業との合弁会社による銀行カード決済業務の開業は、米アメリカン・エキスプレス傘下の合弁会社の連通(杭州)技術服務に続いて2社目(「北京商報」5月9日)。

万事網聯は、マスターカードと中国のオンライン決済システム会社の網聯清算が共同で設立した合弁会社で、2023年11月17日に中国人民銀行(中央銀行)から銀行カード決済ライセンスを取得した。企業信用調査を行う天眼査のデータベースによると、同社の登録資本10億元(約220億円、1元=約22円)のうち、マスターカードが51%、網聯清算が49%をそれぞれ出資している(5月13日調査時点)。

中国では2023年7月に、オンライン決済アプリの「アリペイ(支付宝))と、メッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」のQRコード決済機能「WeChatペイ」が海外クレジットカードとのひもづけが可能となったと発表していた(2023年7月27日記事参照)。また、国務院は2024年3月7日、「決済サービスの最適化と支払いの利便性向上に関する意見」を発表。海外クレジットカードの利用環境の改善やモバイル決済の利便性向上をはじめ、外国人向けなどに効率的かつ利便性の高い決済サービスの提供を図るとしていた(2024年4月9日付地域・分析レポート参照)。

(注)クレジットカードやデビットカードでの取引を受け入れ、処理する業務を指す。

(劉元森)

(中国、米国)

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