バクー・トビリシ・カルス鉄道の貨物運行が再開

(トルコ、アゼルバイジャン、ジョージア)

イスタンブール発

2024年05月24日

アゼルバイジャン鉄道(ADY)は5月20日、バクー・トビリシ・カルス(BTK)鉄道による貨物運行が再開されたと発表した。バクーのアブシェロン物流センターを出発した第1便の貨物列車はコンテナ20個を積載し、ジョージアのトビリシを経由して、トルコのカルスに向かった。

トルコ、ジョージア、アゼルバイジャン、カザフスタンを経由して欧州と中国をつなぐカスピ海横断国際輸送ルート(TITR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、いわゆる「中部輸送路」の西部に位置するBTK鉄道は、2023年5月にジョージア国内の区間184キロの修復・拡張工事が始まり、約1年を経て2024年5月に完了した(2024年3月29日記事参照)。これにより、BTKの年間輸送能力は100万トンから500万トンに増加し、中国から中央アジア、コーカサスを経由する中部輸送路の貨物輸送が強化されることになる(アジェンダ.GE 5月21日)。

アゼルニュースのインタビューによると、ADYのエミル・アフマドフ貨物輸送部長は「近年、鉄道による(アゼルバイジャンを通じた)トランジット貨物輸送が大幅に増加している。2019年には380万トンのトランジット貨物が輸送されたが、2023年には680万トンに達した。さらに、2024年1~4月に輸送されたトランジット貨物量は前年同期比で14%増加している」と述べた。

また、アフマドフ部長は、中部輸送路を通じた中央アジアと欧州諸国間の貨物輸送促進に向け、アゼルバイジャンとジョージアの政府間合意に基づいて、両国のBTK路線管理のための合弁会社の設立が進行中であることを明らかにした。この合弁事業は、プロジェクト関連活動の監督や、貨物輸送の料金設定、商品輸送の管理、運営上の問題の解決を取り扱うことになる(アゼルニュース5月21日)。

(中島敏博)

(トルコ、アゼルバイジャン、ジョージア)

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