4月の製造業PMI、2カ月連続で境界線を超える

(中国)

調査部中国北アジア課

2024年05月01日

中国の国家統計局と物流購買連合会が4月30日に発表した2024年4月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.4となった。前月よりも0.4ポイント低下したものの、2カ月連続で50の境界線を超えた(添付資料図1参照)。前月には、6カ月ぶりに50を上回っていた(2024年4月9日記事参照)。なお、2024年4月の非製造業のビジネス活動指数は前月より1.8ポイント低下の51.2となったが、3カ月連続で51を上回った。

国家統計局サービス業調査中心の趙慶河高級統計師は同日、4月の製造業PMIについて、企業の生産活動の好調と市場需要の拡大の継続などを指摘しつつ、製造業が引き続き回復しているとの見解を示した。

製造業PMIを構成する指数では、生産が前月より0.7ポイント上昇の52.9と改善し、2カ月連続で境界線を上回った。2023年3月の54.6以来の高い水準となった。新規受注は前月より1.9ポイント低下したが、51.1と2カ月連続で50を超えた。サプライヤー配送時間は0.2ポイント低下の50.4。原材料在庫は48.1、就業人員は48.0とともに境界線を下回ったままだった。また、製造業PMI関連指数では、新規輸出受注が50.6、輸入が48.1とそれぞれ0.7ポイント、2.3ポイント悪化した。

企業規模別でみたPMIは、大型企業、中型企業、小型企業でそれぞれ50.3、50.7、50.3となった。50の境界線を超えたのは、大型企業では12カ月連続、中型企業と小型企業ではともに2カ月連続(添付資料図2参照)。

中国国家統計局は4月16日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前年同期比5.3%と発表し、政策効果は継続的に表れており、生産需要は安定的に増加などと評価していた(2024年4月17日記事2024年4月18日記事参照)。中国の国務院は3月13日、投資と消費の拡大を図るべく「大規模設備の更新と消費財の買い替え推進行動プランに関する通知」(国発[2024]7号)を発表したが(2024年3月22日記事参照)、その後、国・省レベルでの具体的な政策が打ち出されている(2024年4月18日記事参照)。こうした政策を背景に、企業の好調な景気マインドが今後も維持されていくかが注目される。

(宗金建志)

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