消費財の買い替え推進プラン発表、自動車、家電、住宅内装材・設備が対象

(中国)

北京発

2024年04月18日

中国の商務部、国家発展改革委員会など14部門は4月12日、「消費財の買い替えを推進するための行動プランPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。同プランでは、自動車や家電、住宅内装材・設備を対象に、全国的に買い替えを推進するとした。これは、国務院が3月13日に発表した「大規模設備の更新と消費財の買い替え推進行動プラン」(2024年3月22日記事参照)を踏まえた具体的施策になる(注1)。

同プランでは、数値目標として、2027年までに廃車・廃棄家電の年間回収台数を2023年比でそれぞれ倍増、30%増加させる(注2)ほか、中古車の年間取引量を45%増加させるとした(注3)。

自動車の買い替え促進については、(1)財政・金融面の支援強化、(2)廃車基準と安全・環境面の検査基準に基づく適切な廃車の実施、(3)廃車の回収・解体システムの整備、(4)中古車取引の利便性向上の促進、(5)中古車販売業者の育成、(6)自動車の流通・消費に関する革新・発展の推進に取り組むとした。

(1)では、中央と地方政府が連携して資金を提供し、条件を満たす地域で自動車の買い替え支援策の実施を奨励、自動車ローンの頭金比率の引き下げを奨励(2024年4月16日記事参照)、新エネルギー車保険料を合理的水準に設定することなどを盛り込んだ。(5)では、自動車メーカーによる中古車販売・認証業務の展開の奨励や、中古車の輸出管理を実施し、輸出中古車の品質を高めることなどを挙げた。

家電分野では、電気・電子機器廃棄物処理に関する資金の政策の策定や、グリーン・スマート製品の購入に対する補助金政策の導入奨励、廃棄家電回収のネットワークの整備などの取り組みを盛り込んだ。

住宅内装材・設備については、中古住宅のリフォームやバリアフリー化の支援や、スマート製品の購入に対する補助金支援の奨励、スマートキッチン・浴室・トイレ、ホームセキュリティーシステム、高齢者モニタリングシステムなどの新たな成長分野の育成などとした。

商務部国際貿易経済合作研究院の白明研究員は、自動車や家電、家具などの更新需要が高まる時期に買い替えを推進することは潜在需要を実需に転換させ、消費の拡大につながるとした上で、グリーン・スマート製品への買い替えは消費の質の高い発展にも寄与するとコメントした(「封面新聞」4月12日)。

(注1)設備更新について、工業情報化部などは4月9日、「工業分野の設備更新を推進する実施プラン」を発表した(2024年4月18日記事参照)。

(注2)乗用車市場情報連席会の崔東樹秘書長によると、2023年の廃車台数は前年比32%増の756万台だった。また、2023年の廃棄家電は2億台を超えたと見込まれている(「中国工業報」4月14日)。

(注3)中国自動車流通協会によると、2023年の中古車取引量は前年比14.9%増の1,841万台だった。

(張敏)

(中国)

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