第1四半期経済成長率、前年同期比5.3%、年度目標達成への基盤築く

(中国)

北京発

2024年04月17日

中国国家統計局は4月16日、2024年第1四半期(1~3月)の主要経済指標を発表した(添付資料表参照)。GDPの実質成長率は前年同期比5.3%だった。同局は「穏中求進」(安定の中で前進を求める)の方針堅持の下、政策効果は継続的に現れており、生産需要は安定的に増加、雇用・物価は総体的に安定し、市場の信頼感は継続的に強化されたと評価。質の高い発展が新たな成果を達成し、国民経済は回復と改善を続けており、好調なスタートを切れたとした。

工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比6.1%増だった。製品別では、充電スタンド(41.7%増)、3Dプリンター(40.6%増)、電子部品(39.5%増)など、ハイテク製造業が高い伸びを示した。

サービス業増加額(付加価値ベース)は5.0%増、うち情報通信・ソフトウエア・情報技術サービス業(13.7%増)、リース・ビジネスサービス業(10.8%増)、運輸・倉庫・郵便サービス業(7.3%増)、宿泊・飲食サービス業(7.3%増)、卸売・小売業(6.0%増)が好調だった。

消費(社会消費品小売総額)は前年同期比4.7%増だった。財の消費は4.0%増、飲食消費が10.8%増となった。業態別でみると、スーパー(2.2%増)、コンビニ(5.2%増)、専門店(6.3%増)、ブランド専売店(1.1%増)が増加したが、百貨店(2.4%減)のみマイナス成長だった。製品別では、酒・たばこ(12.5%増)、体育・娯楽用品(14.2%増)、通信機器(13.2%増)が2桁の伸びを示した。一方、文化・オフィス用品(8.0%減)は唯一のマイナス成長だった。

投資(固定資産投資)は前年同期比4.5%増だった。うちインフラ投資は6.5%増、製造業投資は9.9%増、不動産開発投資は9.5%減だった。不動産の市況をみると、新規着工面積(27.8%減)、完工面積(20.7%減)、新築不動産販売面積(19.4%減)、新築不動産販売額(27.6%減)などの減速が続いている。

貨物貿易総額は前年同期比5.0%増、うち輸出総額は4.9%増、輸入総額は5.0%増だった。

同局は、第1四半期は好調なスタートを切り、プラスの要因が多く蓄積され、年度目標達成のための良い基盤が築かれたとした。一方で、外部環境の複雑さや厳しさ、不確実性は高まっており、経済の安定と改善の基盤はまだ強固ではないと見るべきと指摘している。

(亀山達也)

(中国)

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