米USTR、ケニアの貿易・投資障壁を指摘

(ケニア、米国)

ナイロビ発

2024年05月09日

米国通商代表部(USTR)は3月29日、2024年版の外国貿易障壁報告書(NTE)を発表した(2024年4月2日記事参照)。この中でケニアについて、主に次のように指摘した(詳細は添付資料参照)。

【貿易にかかる障壁】

  • ケニアは東アフリカ共同体(EAC)の定める4つの関税帯を導入。中古衣料や調理ストーブなどはそのうち最も高い関税帯(35%)に分類。その他、テキスタイルや農産品はセンシティブ品目に分類され、従量税が適用され50~100%になっているものもある。
  • 船積み前適合検査(PVoC)の検査基準が国際標準と異なることや、多くの基準が非公開で不透明な点。多重的にかかる輸入の高コスト体制。
  • 遺伝子改良農産品や肉類、乳製品の輸入要件が厳しく、輸入できない。

【投資にかかる障壁】

  • 政府調達でのケニア企業・製品の優先。その他、厳しい現地調達要件。
  • 知的財産権保護制度やデータ保護法の不十分さ、不透明さ。
  • 保険や警備会社、工業分野などでのケニア資本参加要件の存在。外国人による土地所有の禁止(リースのみ。99年間上限)

【その他】

  • 関税や税制にかかる司法仲裁の遅さ、不透明さ。
  • 郡レベル、全国レベルでまん延する深刻な汚職。政府内のあらゆるレベルからの賄賂の要求。

(佐藤丈治)

(ケニア、米国)

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