米控訴裁、加州自動車環境規制への連邦規制の適用免除取り下げ要請を棄却

(米国)

ニューヨーク発

2024年04月12日

米国コロンビア特別区巡回区控訴裁判所は4月9日、車両の環境規制に関し、米国環境保護庁(EPA)がカリフォルニア州に与えた連邦規制の適用免除を巡る訴訟において、EPAに対し免除の取り下げを求める17州の申し立てを棄却した。ロイター(4月9日)など複数のメディアが報じた。

カリフォルニア州は大気浄化法209条に基づき、自動車から排出される温室効果ガス(GHG)基準と無排出車(ゼロエミッション車:ZEV)(注1)の販売に関し、連邦規制の適用免除が認められているが、トランプ政権下の2019年に成立したワン・ナショナル・プログラム(SAFEI)において適用免除は取り下げられ、その後バイデン政権下の2022年3月に再び認められることとなった(2022年3月14日記事参照)。これに対し同年5月、州議会で上下両院ともに共和党が多数派を占める17州(注2)からなる原告団は、連邦政府がカリフォルニア州に対し、大気汚染対策を目的とした適用免除を、気候変動対策に利用することを認めてはならない、などとして再認を取り下げるよう訴えを起こしていた。

カリフォルニア州は2020年9月、2035年までに州内におけるガソリン車の販売を禁じる知事令を発令しており、各種インセンティブの提供などで、達成に向けた環境整備を進めている(2023年11月29日付地域・分析レポート参照)。今回の判決に関し、ギャビン・ニューサム知事(民主党)は「自動車やトラックによる汚染に対応するカリフォルニア州に与えられた長年の権利を再確認するものだ」と評価。「クリーンビークルへの移行は既に始まっており、業界はそこに向かっている。大手自動車メーカーはわれわれの基準を支持しており、カリフォルニア州は予定より何年も早く目標を達成している。われわれは地域社会を汚染や気候危機から守るために戦いをやめることはない」と述べた。なお、本訴訟は最高裁判所に持ち込まれる可能性が高いとみられており、今後の動向が注目される(政治専門紙「ポリティコ」4月9日)。

(注1)カリフォルニア州では、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、燃料電池車(FCV)と定義する。

(注2)アラバマ、アーカンソー、ジョージア、インディアナ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、オハイオ、オクラホマ、テキサス、サウスカロライナ、ユタ、ウェストバージニアの17州。

(大原典子)

(米国)

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