インフレ率の鈍化が続くも、中銀は政策金利を3会合連続で据え置き

(オーストラリア)

シドニー発

2024年04月01日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は3月19日、政策金利を4.35%に据え置くと発表した。2023年12月以降3会合連続での据え置きとなった(2024年2月22日記事参照)。

RBAのミシェル・ブロック総裁は据え置き決定の背景について、RBAの予測どおりインフレ率が鈍化しつつも、高い水準が続いていることを挙げた。インフレの主要因はサービス価格の上昇にあると分析した。同総裁は、国内のインフレ率は中銀目標圏内(2~3%)に近づきつつあるが、妥当な時期までに目標圏内に戻りその圏内にとどめることが必要とした。同総裁は、経済成長率の減速(2024年3月13日記事参照)、失業率(2024年2月22日記事参照)と賃金上昇率のわずかな上昇、インフレ率の鈍化などの直近の国内経済情勢は中銀の予想範囲内にあるとして、「今後のインフレ率見通しに対するリスク評価はバランスが取れており、政策変更を行うことは時期尚早と判断した」と説明した。

2月の失業率は3.7%に低下、就業者が増加

オーストラリア統計局(ABS)は3月21日に、2024年2月の雇用統計で同月の失業率(注)は3.7%となり、前月から0.4ポイント低下したと発表した。3月19日の金融政策決定会合前に発表された2024年1月の失業率は、2年ぶりに4%超に上昇したが、再び3%台へ転じた。なお、就業者数は前月比で11万6,500人増(0.8%増)の1,426万9,600人だった。一方、失業者数は54万8,300人と、前月から5万2,000人減少(8.7%減)した。2023年12月から2024年1月にかけて求職者・復職希望者が例年以上に多く、2月の就業者数が増加につながった。

(注)全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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