中銀、インフレ率減速で政策金利を2会合連続で据え置き
(オーストラリア)
シドニー発
2024年02月22日
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は2月6日、政策金利を4.35%に据え置くと発表した。2023年12月に開催された前回の金融政策決定会合に続いて、2会合連続での据え置きとなった(2023年12月12日記事参照)。
RBAのミシェル・ブロック総裁は据え置きの決定の背景について、最新の消費者物価指数(CPI)統計でインフレ率が減速している(2024年2月13日記事参照)ことを挙げた。一方で、同総裁は、財の価格のインフレ率は2023年11月時点でのRBA予測を下回ったが、サービスの価格は高水準が継続しているとして、「(中銀目標圏内2~3%よりも)インフレ率は引き続き高い」との見解を示した。国内では需要超過が継続し、企業の生産活動において、労働コスト、非労働コストの両面で強いコスト圧力がかかっているためだ。また、同総裁は、今後の国内経済の見通しについては、いまだ高い不確定性が残るとした。例えば、中国経済の見通しやロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢など国際情勢の不確実な点に加えて、金融政策の効果が表れるまでの時間差や、需要超過の中で経済成長が減速し、労働市場が逼迫している状況下での、価格決定や賃金の企業の反応、家計消費の見通しなど国内においても不確実があると説明した。
公共放送ABC(2月6日付電子版)は、今後の政策金利の見通しにつき、国内エコノミストの分析として、2023年第4四半期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同期比4.1%と引き続き高い水準だったが、インフレ率が鈍化傾向にあるため、2024年半ばには政策金利の引き下げを行う可能性があると報じた。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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