1月の失業率は4.1%、2年ぶりに4%を上回る

(オーストラリア)

シドニー発

2024年02月22日

オーストラリア統計局(ABS)が2月15日に発表した2024年1月の雇用統計によれば、同月の失業率(注)は4.1%で、前月から約0.1ポイント上昇した。失業率が4%を上回るのは、2022年1月以来2年ぶりだ。

就業者数は前月比で500人増加し(0.0%増)、1,420万1,300人となった。失業者数は2万2,300人増加し(3.9%増)、60万600人だった。前年同月比でみると、就業者数は35万6,700人増加(2.6%増)し、失業者数も7万7,900人増加(14.9%増)した。

雇用形態別の内訳をみると、フルタイムは979万7,800人(前月比1万1,100人増)、パートタイムは440万3,500人(1万600人減)だった。フルタイムが全体の約7割、パートタイムが約3割を占める。不完全雇用率は前月より0.1ポイント増の6.6%、労働力の未活用率も前月より0.3ポイント増の10.7%だった。

失業率を州別にみると、タスマニア州(前月比0.9ポイント増の4.9%)、首都特別地域(0.4ポイント増の4.3%)、西オーストラリア州(0.3ポイント増の4.2%)、ニューサウスウェールズ州(0.6ポイント増の4.1%)、南オーストラリア州(0.1ポイント増の4.0%)で失業率が上昇した。一方、ビクトリア州(0.1ポイント減の3.9%)、クイーンズランド州(0.1ポイント減の4.2%)、北部準州(0.6ポイント減の3.9%)では失業率が低下した。

公共放送ABC(電子版2月15日)は、1月の失業率について、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)によるこれまでの政策金利の引き上げを受けて、労働市場の逼迫が落ち着いてきている、という現地エコノミストの見方を報じた。また、オーストラリアのジム・チャルマーズ財務相は同日付の記者会見で、1月失業率の上昇は、政府やエコノミストの予測と一致すると述べる一方で、新型コロナ禍前の5年間平均の失業率5.5%と比べても、依然として非常に低い水準であることを指摘した。

(注)全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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