フランスのトタル、アルジェリアで天然ガスの開発と調達確保を本格化

(アルジェリア)

パリ発

2024年04月16日

フランスの総合エネルギー企業トタルエナジーズは2024年4月8日、アルジェリアの国営炭化水素公社ソナトラックと、天然ガスの増産を目的とする工事計画の策定および実施に関する合意書を締結した(4月8日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同合意書に基づき、アルジェリア南西部にあるティミムン県のガス田の生産能力を評価した上で、増産に向けたインフラの強化を行う。

また、トタルエナジーズは同日、ソナトラックと2023年7月に締結した液化天然ガス(LNG)の調達契約を2024年から2025年まで、1年間延長することを併せて発表した。同合意書に基づき、同社は2025年にフランス向けLNG200万トンの調達を確保し、ソナトラックとのパートナーシップをさらに強化した。

トタルエナジーズは、2023年からソナトラックとの協力を加速している。2023年7月には3件の合意書を締結した。このうち2件は天然ガスに関するプロジェクトで、両社が共同で開発しているアルジェリア南東部のティン・フイエ・タバンコルトガス田の増産と2024年分のLNGの調達に関する合意書だった。残り1件は、太陽光、水素など、再生可能エネルギー分野における協力の合意書だ。

天然ガスの脱ロシア依存に向け、イタリア(2023年2月3日記事参照)、ドイツなど欧州各国はエネルギー分野でアルジェリアと関係を強化しており、フランスもこうした動きに本格的に加わった。一方、輸出の拡大に加えて、アルジェリアの国内でも天然ガスへの需要が高まり、生産および輸送能力に関する懸念(2022年3月3日記事参照)がある中、ソナトラックは生産能力を拡大するため、2024年から中国の国有エネルギー大手の中国石油化工集団(SINOPEC)、イタリアのエニ、ノルウェーのエクイノール、サウジアラビアのミダッド・エナージ・ノース・アフリカ(MENA)など外国エネルギー大手とパートナーシップを強化している。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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