アルジェリア国営炭化水素公社、欧州にガスを追加供給へ

(アルジェリア、欧州)

パリ発

2022年03月03日

ウクライナ情勢の悪化に伴ってロシアから欧州へのガス供給が減少する可能性がある中、アルジェリア国営炭化水素公社ソナトラックのトゥーフィック・ハッカル総裁は2月27日、欧州にガスの追加供給をする用意があることを表明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

アルジェリアは現在、主にスペインとイタリアにガスを供給しており、供給量は欧州諸国のガス需要量の11%を占めている。ただし、ソナトラックの生産能力に限界があるほか、国内供給や他国・地域への輸出などもあり、実際に欧州に対して追加できる輸出量は、年間で最大30億立方メートルにとどまると推測される。

また、輸送能力に関しても懸念がある。アルジェリアからモロッコを経由してスペインと結んでいる天然ガスパイプライン「マグレブ・ヨーロッパ」がモロッコとの断交によって稼働を停止している(2021年9月6日記事参照)。ソナトラックは現在、ガス輸送のためのパイプラインとして、アルジェリアとスペインを直接結ぶ「メッドガス」と、チュニジアを経由してイタリアと結ぶ「トランスメッド」を利用しているが、前者については、既にフル稼働の状態で追加輸送は不可となっており、後者で追加可能な輸送量については、年間最大100億立方メートルとされている。パイプラインで結ばれていない国に向けては、液化天然ガス(LNG)の追加供給も視野に入れていると表明したが、年間生産能力は年間5,000万立方メートル程度、LNGタンカー数は6隻にとどまる。

アルジェリアが天然ガスの供給国として、完全にロシアに代わって欧州のガス需要を満たすのは短期的には不可能だが、オフショアやシェールガス事業の開発(2022年1月21日記事参照)により生産能力が高まれば、中長期的には新たな商機が生まれる可能性がある。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、欧州)

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