第13回WTO閣僚会議、デジタル製品の国際的取引に係る関税不賦課モラトリアム延長に合意

(世界、アラブ首長国連邦、インドネシア)

ジャカルタ発

2024年03月13日

2024年2月26日から3月2日にかけてアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されたWTOの第13回閣僚会議(MC13)において、電子的送信に関税を課さない現在の慣行を、次回閣僚会議の開催または2026年3月31日までのいずれかの早い日まで延長することが合意された(3月1日付WTOウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。声明の内容はWTOのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますより確認が可能だ。

3月3日付「コンタン」紙によれば、インド、インドネシア、南アフリカ共和国がモラトリアム延長に反対したものの、最終的には賛成に合意した。また、シンガポールの主要メディアであるチャンネル・ニュース・アジア(CNA)は3月2日、「一部の国は2026年を関税制度の構築に着手する機会と捉える可能性がある」と示唆しつつ、「関税率は0%としつつも、インドネシアだけがソフトウエア、電子データ、および電子送信を介して配信されるマルチメディアデジタル商品に関税を課すことを許可する規制を実施している」と報じた。

インドネシアでは財務大臣規則190/PMK.04/2022PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の発効に伴い、デジタル製品など無形財に対する輸入申告が規定され、続く関税総局長規則PER 02/BC/2023PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、関税率は0%としつつも、HSコード9901項を利用して輸入申告するなどの具体的な手順が規定されている(2023年2月15日記事参照)。

今回WTO間での合意が行われたことに伴い、2026年3月31日までは関税の引き上げは行われない可能性が高いが、関税制度の変更には引き続き注視していく必要がある。

(中村一平)

(世界、アラブ首長国連邦、インドネシア)

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