モディ・インド首相、ブータンを公式訪問

(インド、ブータン)

ニューデリー発

2024年03月29日

インドのナレンドラ・モディ首相は3月22~23日、ブータンを公式訪問した。2024年1月のブータン総選挙で政権に復帰(2024年1月12日記事参照)したツェリン・トブゲイ首相と会談を行い、「インドとブータン:ともに進歩と開発のために」と題した共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、貿易投資の連携強化や人的交流の促進を図る方針を表明した。トブゲイ首相も3月14~18日にインドを公式訪問しており、両国首脳が10日以内に相互往来を果たしたことになる。

また、エネルギー分野の共同ビジョン宣言「インド・ブータン・エネルギー・パートナーシップ」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、両国が相互にエネルギー安全保障を図るとしたほか、水力発電、太陽光発電、グリーン水素など新エネルギー計画にインド関係者が戦略的に参画することや、ブータンで計画中の水力発電所の建設プロジェクトにインド政府が財政面と電力輸出先としての市場の両面から支援することなどを盛り込んだ。

このほか、モディ首相のブータン訪問中に、次の覚書(MoU)などが締結された。

  • インドからブータン向け石油、油、潤滑油・関連製品の一般供給に関わる覚書
  • ブータン食品医薬品局(BFDA)による、食品輸出安全証明に対するインド食品安全基準局(FSSAI)の認証合意
  • エネルギー効率とエネルギー保全分野の協力覚書
  • スポーツと若者の協力に関わる覚書
  • 医薬品の標準物質、薬局、検査と試験の共有に関する協力覚書
  • 宇宙開発協力の共同行動計画
  • インドの国家知識ネットワーク(NKN)とブータンのドゥルック研究教育ネットワーク(DrukREN)の交流に関わる覚書の更新

モディ首相はブータン滞在中、ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王とも会談した。ワンチュク国王は2023年12月に、ブータンのインド側国境に面するゲレフ地域にスマートシティー経済特区を設ける構想を発表している。今回の首脳会談では、この構想における両国間の接続性や投資計画の進捗に関しても協議が行われた。

(広木拓)

(インド、ブータン)

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