省・市別イノベーション指数(PII)を初公表、ハノイ市が1位

(ベトナム)

ハノイ発

2024年03月26日

ベトナム科学技術省は3月12日、ベトナム全国の各省・市イノベーション指数(PII:Provincial Innovation Index)を初公表した。

PIIは、2022年の政府決議(12/NQ-CP)の下、科学技術省が世界知的所有権機関(WIPO)と協力し、全国63省・市のイノベーションパフォーマンスをランク付けしたもの。関連機関や地方省、専門家などの意見をとりまとめ、WIPOのグローバル・イノベーション・インデックス(GII)(2023年10月12日記事参照)の構造に基づき、策定した。

PIIは各省・市を52の指標で評価する。指標は、科学技術・イノベーションを基にした社会・経済発展の要素となるイノベーション・インプット5項目(「制度」「人的資本・研究開発」「インフラ」「市場の洗練度」「事業の洗練度」)と、社会・経済発展への影響を反映するイノベーション・アウトプット2項目(「知識・創造的な技術の産出」「インパクト」)に分類される。

ランキングでは、ハノイ市が62.86点で1位を獲得した。2位はホーチミン市(55.85点)、3位はハイフォン市(52.32点)、4位はダナン市(50.70点)、5位カントー市(49.66点)と、トップ5を、全国で5つある中央直轄市が占めた。6位以降は、バクニン省(49.20点)、バリア・ブンタウ省(49.18点)など、いずれもハノイ市、ホーチミン市近郊の省が続いた(添付資料表参照)。

ハノイ市は、人的資本・研究開発、市場の洗練度、知識・創造的な技術の産出の3項目で最高点を獲得し、他の市・省をリードした。また、クアンニン省は、総合では9位となったが、制度およびインフラの項目で最高点を獲得した。

フイン・タイン・ダット科学技術相は、PII公表の意義について、「各省・市の指導者が科学・技術・イノベーションに基づいた社会・経済発展の促進政策を策定、実施する上で、科学的かつ実践的な基盤になる」と言及した。

なお、WIPOによるGIIでは、2023年にベトナムは132カ国・地域中46位となり、10年前の2013年の76位から大きく上昇している。国内産業の多様性やハイテク製品の輸出などが評価される半面、行政文書の冗長性、生徒1人当たりの教員数、生態系の持続可能性、知識集約型雇用などが弱みと分析されている。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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