WIPOグローバル・イノベーション指数2023、ASEANではインドネシアが躍進

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

調査部アジア大洋州課

2023年10月12日

世界知的所有権機関(WIPO)は9月27日、グローバル・イノベーション・インデックス(GII)の2023年版の報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。GIIは80の指標を用いて、日本を含む132カ国・地域のイノベーションパフォーマンスをランク付けしたもの。指標は(1)革新的な活動を促進・実現する経済的要素(イノベーション・インプット)、(2)革新的な活動の実際の成果(イノベーション・アウトプット)に大別され、(1)として「制度・機関」「人的資本・研究」「インフラ」「市場の洗練度」「事業の洗練度」、(2)として「知識・技術の産出」「創造的なアウトプット」が主な評価項目となっている。

ASEAN各国のGIIの総合評価では、シンガポールが5位となった(添付資料表参照)。「制度・機関」で1位、「人的資本・研究」では前年の7位から2位に急上昇した。マレーシアが36位、タイが43位、ベトナムが46位と続いた。マレーシアは7項目中5項目で順位を上げたが、中でも「市場の洗練度」は8ランク上げて18位に入った。タイは「制度・機関」や「人的資本・研究」がランクダウンするなどしたが、「市場の洗練度」は前年から5ランクアップし、22位となった。

フィリピンは総合評価で3ランク上げて56位だった。中でも「市場の洗練度」は23ランク上げて55位に上昇した。総合評価の推移をみると、2013年に90位、2018年に73位で、順調にランクアップしている。また、インドネシアは前年の75位から61位と、14ランクアップした。「事業の洗練度」が15ランク、「知識・技術の産出」が17ランクアップしている。インドネシアの総合評価は2022年にも前年から12ランクアップしており、この1~2年の伸びが著しい。ベトナムは総合評価が2018年以降40位台で推移しているが、2013年の76位と比べると大きく飛躍している。

そのほか、総合評価では、ブルネイが87位(前回92位)、カンボジアが101位(同97位)、ラオス110位(同112位)だった。2023年調査ではミャンマーは対象から外れた。

(山口あづ希)

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

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