2月のインフレ率、9.67%とわずかに低下

(バングラデシュ)

調査部アジア大洋州課

2024年03月22日

バングラデシュ統計局(BBS)は、2月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は前年同月比で9.67%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と発表した。食品および非食品価格の下落傾向により、上昇率は1月の9.86%からわずかに低下したものの、全体的なインフレ率は2023年3月以降、12カ月連続で9%を上回っている(添付資料表参照、2024年2月21日記事参照)。なお、バングラデシュ中央銀行は2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)のインフレ率目標を7.5%に定めている(注)。

インフレ率は、都市部は9.88%(前月比0.11ポイント減)と依然10.0%近くで推移しており、農村部(9.48%)よりもやや高い結果となった。食品セクターのインフレ率は都市部で9.86%、農村部で9.28%。非食品セクターのインフレ率は都市部で9.38%、農村部で9.10%といずれも低下した。

現地報道によると、世界銀行ダッカ事務所の元主任エコノミスト、ザヒド・フサイン氏は今回のインフレ低下の背景につき、政策金利引き上げ(2024年1月23日記事参照)などの金融収縮政策が功を奏したのか、毎月の不規則な変動の一部なのかは測りかねるとした。その上で、インフレ率が上下を繰り返しかなり不規則な動きが見られることについて、当局は金融引き締め政策を維持し、警戒し続けるべきだ、と指摘している(「ビジネス・スタンダード」紙2024年3月6日)。

(注)バングラデシュ中銀は1月17日、2023/2024年度下半期(2024年1~6月)の金融政策の発表に合わせ、CPI上昇率を6.0%から7.5%に上方修正した(2024年1月23日記事参照)。

(寺島かほる)

(バングラデシュ)

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