金融引き締めにもかかわらず、1月のインフレ率は前年同月比9.86%に上昇

(バングラデシュ)

調査部アジア大洋州課

2024年02月21日

バングラデシュ統計局(BBS)は、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は前年同月比で9.86%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と発表した。金融引き締めにもかかわらず、上昇率は11月の9.43%、12月の9.41%から3カ月ぶりに上昇し、10月の9.93%に次ぐ高水準となった。バングラデシュ中央銀行は2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)のインフレ率目標を7.5%に定めている(注、添付資料図参照、2024年1月25日記事参照)。

インフレ率は前年同月比で都市部と農村部のいずれも9%台だったものの、物価上昇の影響を大きく受けた都市部は9.99%(前月比0.84ポイント増)と10.0%近くで推移しており、農村部(9.70%)よりもやや高い結果だった。都市部の食品セクターのインフレ率は9.98%、非食品セクターのインフレ率は9.43%、農村部の食品セクターは9.41%、非食品セクターは9.19%だった。

現地報道によると、BBS関係者は今回のインフレ上昇の背景について、1月の冬野菜やコメ価格が2023年を上回り、タマネギやニンニクを含む野菜価格が前年同月に比べて著しく上昇したと述べているという(「ビー・ディー・ニュース24」紙2月16日)。別の報道では、近隣国のインドやスリランカで高インフレ抑制の対策として講じていた金利引き上げなどの金融政策の導入時期がバングラデシュでは遅れたことで、インフレ抑制が功を奏していないとの指摘も見られた(「ファイナンシャル・エキスプレス」紙2月9日)。

(注)バングラデシュ中央銀行は1月17日、2023/2024年度下半期(2024年1~6月)の金融政策の発表に合わせ、消費者物価指数(CPI)上昇率を同6.0%から7.5%に上方修正した(2024年1月23日記事参照)。

(寺島かほる)

(バングラデシュ)

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