英政府、原産地や動物福祉に関する食品表示規制案の意見公募

(英国)

ロンドン発

2024年03月14日

英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は3月12日、食品の原産地と生産方法の表示に関する規則案の意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開始した(5月7日締め切り)。スティーブ・バークレイ環境・食料・農村地域相は「食品がどこで、どのように生産されたかを示す表示を公平で理解しやすいものにすることで、消費者が情報に基づいた選択をできるようにし、高品質で高水準の動物福祉(アニマルウェルフェア)の食品を生産している英国の農家に報いたい」と述べた。表示規制強化については、バークレイ氏が1月のオックスフォード農業カンファレンスの演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで表明していた(2024年1月9日記事参照)。

意見公募では、原産地表示の改善に関して、次のような案が示されている。

  • ベーコンなど最小限の加工をした肉製品に対する原産地表示の義務化
  • 原産地表示の視認性の向上
  • レストランなど家庭部門以外の特定の食品に対する原産地表示の義務化
  • 表示での国旗使用の管理強化

また、生産方法の表示に関して、英国の動物福祉基準を下回る製品、満たす製品、上回る製品を区別する5段階表示の義務化について、豚肉、鶏肉、卵を対象とし、英国産品と輸入品の両方に適用する案が示されている。乳製品、牛肉、羊肉の表示については引き続き検討し、意見公募を行う予定としている。さらに、魚介類の表示方法についても、より一般的な内容で意見を求めている。

動物福祉に積極的に取り組む大手スーパーマーケット、ウェイトローズのジェームス・ベイリー代表は意見公募の開始に対して、「農家の動物福祉に対する姿勢を認定し、透明性の向上と消費者の誤認防止に向けた政府の取り組みを支持する」と述べた。一方、英国の農業団体NFU(全国農業者組合)のデービッド・エクスウッド副会長は「表示自体は、英国では違法となる条件下で生産された輸入品から、わが国の高い基準を守る解決策ではない」とし、「選挙マニフェストでのわれわれの要求の1つとして、次期政府に対し、全ての輸入農産物について一連の核となる環境基準と動物福祉基準を法律で制定することを求めている」とコメントした外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(林伸光)

(英国)

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