英政府、食品の動物福祉と原産地の表示規制強化を検討

(英国)

ロンドン発

2024年01月09日

英国のスティーブ・バークレイ英国環境・食糧・農村地域相は1月4日、食品の動物福祉(アニマルウェルフェア)と原産地の表示規制強化に向けて、協議を開始することを表明した。オックスフォード農業カンファレンスの演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、英国農家への支援拡充を発表した中で言及した。

バークレイ氏は「英国農家は、世界をリードするわが国の動物福祉、環境の基準を満たす食品を生産しているが、動物福祉の水準が低い外国産の商品には、これら英国産の商品と区別する明確な表示がされていない」と指摘した上で、「誤解を招く表示によって生じた不公平に対処し、農家と消費者を保護できるよう、より明確な表示について迅速に協議する」と述べた。

具体的な規則案や対象品目は明らかになっていないが、演説の中では、次を検討するとした。

  • 英国の動物福祉基準を満たしていない輸入品の強調表示
  • オンライン販売での原産地情報の提供方法の改善
  • スーパーマーケットでの英国産表示(外国で低水準の動物福祉で飼育され、英国で食肉加工された場合の表示など)の改善
  • 原産地情報の表示方法の義務付け(既に卵では飼養方法や原産地の表示方法が標準化されている)

動物福祉に関する表示については、2022年7月から10月にかけて環境・食糧・農村地域省が実施した養豚部門の契約慣行に関する意見募集外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも養豚農家などから要望が挙がっていた。英国の農業団体NFU(全国農業者組合)のミネット・バッターズ会長は、高い動物福祉基準を満たす英国農家の商品を国民が選択できるようにする「単純明快かつ正確な情報が含まれる」表示にすることが重要とコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(林伸光)

(英国)

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