2024年も米テック系大手企業のレイオフ報道が相次ぐ

(米国)

サンフランシスコ発

2024年02月01日

米国のテック系企業で、レイオフの波が再び起きている。2022年後半から2023年初夏にかけて、テック系企業での大規模なレイオフが続いた後(2022年11月11日記事2023年3月20日記事2023年1月25日記事参照)、一時減速したものの、2024年に入って再びレイオフの報道が相次いでいる。テック系企業は成長志向から効率志向へ軸を移しているという報道もある(テッククランチ1月25日)。

マイクロソフトは、同社や2023年10月に687億ドルで買収したゲーム企業アクティビジョン・ブリザードのゲーム部門から、合わせて1,900人を解雇すると複数メディアが報じた。統合のための業務効率化の一環で、ゲーム部門2万2,000人の8%に当たる大規模なレイオフとなるという。

アマゾンは、同社のビデオゲームストリーミングサービス部門のツイッチの従業員500人以上と、同社の動画配信サービスのプライムビデオ、MGMスタジオの従業員数百人を1月初めに解雇。1月半ばには同社サービスの1つのバイウィズプライムで約30人から、従業員の5%を解雇したと複数メディアが報道した。

Eコマース大手のイーベイは1月23日、従業員の9%相当の約1,000人分のポストで解雇を行う予定だと発表した。同社のジェイミー・イアノーネ最高経営責任者(CEO)は「全体的な人員と経費が事業の成長を上回っているため、人員削減が必要」と述べた。

顧客管理システムなどを提供するセールスフォースは、全世界で従業員の1%に当たる700人をレイオフすると「ウォールストリート・ジャーナル」紙が1月26日に報道した。2023年にも全従業員の10%の8,000人を解雇している。

グーグルでは、2024年も生成人工知能(AI)への投資を続けていくため、人員削減を継続するだろうという趣旨の社内メモを提示したとされる報道が複数あるほか、既に複数の部門で数百人規模のレイオフが起きたとの報道もある。

テック系企業の人員削減を追跡するレイオフス・ドット・ファイ(Layoffs.fyi)によると、判明している限りでは、1月に米国で1万4,000人以上、全世界で2万6,000人以上が解雇されている。

(芦崎暢)

(米国)

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